これらの言葉って僕は哲学を学ぶまであまりしっくりきていなかった。

クリティカルシンキングは、常識や固定観念にとらわれないで考える、みたいなこと。そして視野を広げるとは、よく留学に行く理由なのでざっくり使われる。広げて何になるの?

これって、まず人間存在についてある程度の見方を想定していないと理解できない。つまり、われわれの意識構造についての想定だ。

僕らは生まれたときは真っ白で、いろいろな五感の体験を通じて、概念(言語)を学び、世界の見方を習慣的に学ぶ。今見ている世界は過去の産物だ。「アメリカ人」という語に何を思うかは、その人が接したアメリカ人に依る。こうした習慣的なものは「社会」といえる。

そして、「社会」の外には、習慣的でない実体として措定される「世界」がある。われわれにとって絶対的な価値を持つのは相対的なものではない絶対の「世界」だ。しかし、それは直接経験できるものではない。

この「世界」の中で「社会」を作り生きているのが人間存在である。これを理解していれば「クリティカルシンキング」と「視野を広げる」の意味も明確になるのではないか。